スマートフォンやワイヤレス電話機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の身近な機器に使われているバッテリー（二次電池）は、ニッケル水素(Ni-MH)やリチウムイオン電池(Li-ion)がほとんど。
かつて、電気製品や電動工具用のバッテリーは「ニッカド」が主流でした。しかし、今となっては、ニッカドバッテリーをまったくと言っていいほど見かけなくなりました。
ご存知、ハイブリッドカーやEVも同様、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池が搭載されています。
スターターバッテリーは鉛バッテリー
自動車やトラック、バス、建設機械、バイクのエンジンを始動するためのスターターバッテリーは今をもってしても「鉛バッテリー」が使われています。
なぜでしょう？
その理由は、鉛バッテリーはコスト、耐熱性、信頼性に優れていてリサイクルが可能だからです。
鉛バッテリーは長い歴史を持っています。
確かに、鉛バッテリーはニッケル水素電池やリチウムイオン電池よりエネルギー密度（単位体積あたりの電気を貯める量）が低い蓄電池。
しかし、だらかと言って、無下に「鉛バッテリー」は古い技術と一刀両断することはできないのです。
鉛バッテリーは技術的に成熟しているため、何といっても信頼性が高いのが特徴。コスト面でも断然有利で入手性が高いメリットもあります。鉛バッテリーは世界中の多くの国々で入手できるパーツです。
鉛蓄電池ならエンジンルームに搭載できる
自動車のエンジンルームは高熱を帯びるため、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池を搭載することができません。
その点、鉛バッテリーならば、エンジンルームに搭載できます。エンジンの真横にバッテリーが搭載されている自動車が数多く存在します。これは、鉛バッテリーは、ある程度の高温環境下でも正常に機能するからです。
他方、鉛バッテリーも寒さに弱い弱点があります。バッテリー物は温度変化に敏感。特にニッケル水素電池やリチウムイオン電池は鉛バッテリー以上に暑さと寒さが苦手。
例えば、スマホやデジタルカメラを冬の降雪地で使用すると、バッテリーが弱くなりやすくなります。
当分は鉛バッテリー
とかく、時代は新しい技術を追い求め、古い技術から卒業しようとするところがあります。しかし、自動車の電装系の元であるスターターバッテリーは万一のことがあってはならない重要なパーツ。
そのような理由もあり、今もなお自動車のスターターバッテリーは「鉛バッテリー」が使用されています。アイドリングストップ機能が搭載されている自動車のスターターバッテリーも専用の「鉛バッテリー」。
一部の車両には※AGMバッテリーが純正採用されています。これは一般の湿式バッテリーと内部構造は違うものの、同じ鉛バッテリーです。（※AGM: Absorbed Glass Mat）
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