30系プリウスのATF交換を実施!効果と交換時期,交換費用

2021年10月、管理人の愛車プリウスが車検を迎えました。新車登録から年数が経過しているものの、ODOメーターの走行距離は5万8千km台。

ご存知、プリウスはトヨタのお家芸であるTHS-Ⅱ(Toyota Hybrid System/トヨタ・ハイブリッド・システム)を搭載するストロングハイブリッド。

プリウスはミラーサイクル4気筒DOHCエンジン+モーター+メインバッテリー+DC-DCコンバーターを搭載しているため、パワートレインの構造がかなり複雑。

更に、ハイブリッドには回生ブレーキシステムが組み込まれているため、尚更。

電装系が複雑なTOYOTAハイブリッドシステムにもかかわらず、管理人のプリウスは故障知らず。今まで、定期的なエンジンオイル交換を実施し、1年点検と車検時に油脂類や12V補機バッテリー、エアコンフィルター、ワイパーブレード、タイヤなどの消耗部品を交換した程度。

エンジンや電気式無段変速機、メインバッテリー、DC-DCコンバーター等のパワートレインと電装系の不具合は一切ありません。

TOYOTAのハイブリッドカーは4輪版のスーパーカブのような存在で、丈夫で長持ち。

驚くほど故障が無いプリウスながら、今回の車検時に予防整備としてATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)交換を実施しました。

管理人はATF交換にそれほど期待していなかったものの、交換後、明確な違いを体感することができたため、情報をシェアしたいと思います。

Contents

プリウスの電気式無段変速機

プリウスのみならず、TOYOTAのラインアップに幅広く搭載されているTHS-Ⅱには、電気式無段変速機が組み込まれています。

この変速機はATやCVT、DCTとは構造が異なります。

THS-Ⅱの大きな特徴は、動力分割機構と呼ばれるエンジン(遊星ギア)とモーター(リングギア)、発電機(サンギヤ)の3種類が組み込まれています。

この設計により、走行中、エンジンのON/OFF、モーターアシストのON/OFF、バッテリー充電の複雑な制御を可能にしています。

THS-Ⅱの動力分割機構はトランスミッションとは言い難い構造。それが理由でトヨタは「電気式無段変速機」と表現しているのでしょう。

言葉であれこれと呟いても分かりにくいでしょうから、ご興味のある方は以下のYouTube動画をご参照ください。

それにしても、遊星ギアを思いついたエンジニアは、ぶっ飛んだ天才だと思います。

THS-ⅡのATF交換時期

ATF-オートマチックトランスミッションフルード

プリウスの動力分割機構の潤滑油として、オートマオイルとも呼ばれるATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)が使われています。

TOYOTAプリウスの取扱説明書によると、THS-ⅡのATFは無交換。但し、シビアコンディションならば、10万km毎の交換を推奨しています。

走行距離が10万km前後で車両を買い替えるのであれば、THS-ⅡのATF交換は不要とも解釈できます。

しかし、この世に劣化しない潤滑油は存在しません。

自動車の油脂類がロングライフ化し、車種によっては、エンジンオイルの推奨交換時期は10,000~15,000km毎。シビアコンディションならば、その約半分の距離。

多くのカーオーナーは走行5,000km前後でエンジンオイルを交換しているのではないでしょうか。カーディーラーや一般の整備工場でも、走行5,000km以内のオイル交換を推奨しています。

ATFはエンジンオイルのように劣化がどんどん進む訳ではないものの、同じオイルである以上、走行距離と年数により劣化が進みます。

そこで今回、走行距離が50,000kmを超えているプリウスの車検のついでに、予防整備としてカーディーラーにATF交換を依頼しました。

ATF交換後の変化

車検が終了し、管理人はプリウスに乗り込んでシフトをDレンジに入れ、ブレーキペダルから足を離すと、車体はするすると動き始めました。

ファーストインプレッションとして、明らかにアクセル操作に対して車体がスムーズに反応します。

更に、今までモーター走行中にエンジンが始動すると、僅かな車体の前後方向のショックが体に伝わってきたものの、その現象が消えています。

ATF交換により、

(1)モーター走行

(2)モーター走行+エンジンON

(3)エンジンOFF、モーター走行

上記(1)から(2)、(2)から(3)へTHS-Ⅱが切り替わる瞬間、僅かに発生していたショックがほぼ消えています。

これは、管理人が予想していなかったATF交換のうれしい産物。

ATFを交換後、いつエンジンが始動し、停止したのか分かりにくくなり、ハイブリッドの切り替え連携がスムーズ。

新車の頃はスムーズな走行が当然。オーナーはATFの劣化に伴う走行フィーリングの悪化に対して鈍感なようです。

ATFの交換費用

TOYOTA30系プリウス車検、請求書

ディーラーでATFの交換費用は次のとおり。(税別表記)

作業内容個数金額
トムスルブProfessional ATF20L P3.4L5,892
フィラプラグガスケット1個121
ドレインプラグガスケット1個121
ATF交換、技術料5,116
合計11,250

プリウスのAFTを交換する際、リフトで車体を持ち上げてフロントのアンダーカバーを外す必要があります。ATF交換はエンジンオイル交換より手間がかかるため、その分の工賃が発生します。

まとめ

THS-ⅡのATFはエンジンオイルのように定期的な交換が必須ではないものの、走行5万km前後で交換すれば、新車の頃のスムーズな走行が蘇ります。

当初、トヨタのTHSは初代プリウスに搭載され、その後、バージョンアップしたTHS-Ⅱはアクアやカローラ、ヤリス(ヤリス クロス)、アルファード、ヴェルファイア、ヴォクシー、シエンタ、C-HR、ハリアー、RAV4、カムリ、クラウンなどにも搭載されています。

トヨタの多くのモデルにTHS-Ⅱが搭載され、ハイブリッドの一大ラインアップが充実しています。

トヨタのハイブリッドカーオーナーならば、ATF交換後、スムーズな走行が蘇り、愛車に惚れ直すことでしょう。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


TOP