個の時代が進む21世紀-高林秀亘

30系プリウスが大ヒットした理由とハイブリッドカーの近未来

30プリウス/Prius

2009年にフルモデルチェンジを受けたTOYOTA 30系プリウスは日本の自動車史上で最もヒットしたクルマ。この理由を改めて検証してみようと思います。

 

■30系プリウスがヒットした理由

(1)2008年、原油高に起因する燃料費高騰のあおりを受けて、当時、世界最高燃費を叩き出したハイブリッドカーが人心を掴んだ。

(2)おむすびのようなデザインの20系プリウスをベースに、エッジを立てたデザインに変更されて、より魅力度が増した。

(3)エンジン排気量が1,500ccから1,800ccへ変更を受け、ハイブリッドは若干非力というイメージが払拭された。

(4)30系プリウスはサスペンションが改良された。

(5)後席のヘッドクリアランスが改善され圧迫感が軽減した。

他にも、30系プリウスがヒットした理由はあるでしょう。

 

・20系プリウスの実用市街地燃費は18km/L前後。

・30系へモデルチェンジしてから同燃費は20km/L前後。

 

TOYOTA30系プリウス

確かに、20系から30系にフルモデルチェンジを受けて、燃費性能は向上しました。30系の高速燃費は23~24km/Lほどですから、20系より若干向上しています。

やはり、発進停止と渋滞の多い市街地で、誰がプリウスを運転しても素晴らしい燃費を叩き出すからこそ30系は大ヒットしたのだと思います。カタログ燃費は置いておいて、「誰が運転しても、街乗りだけでも燃費が良い」という性能は誰でも分かり易い性能でしょう。

 

その後、TOYOTAからアクアがリリースされ、HONDAからも新しいタイプのハイブリットが登場しました。2017年の春においても、ハイブリッドカーと軽自動車、コンパクトカーで日本市場のかなりを占めています。

MAZDAは独自のエンジン開発技術により更なる燃費向上を果たし、市場に投入したディーゼルエンジンも好評のようです。

 

■ハイブリッドカーは繋ぎ役ではない

海外へ目を向けると、ほぼダウンサイジングエンジン一色であり、あのアメ車でさえダウンサイジング化が進行中です。

ダウンサイジングエンジンは日本国内の渋滞路では威力を発揮しにくいかもしれませんが、流れの良い一般国道や高速道ではハイブリッドカーを追いかける燃費を叩き出します。

 

30プリウス,インパネ世界のクルマは環境技術が試される燃費性能に重きを置き、世界総省燃費化へ邁進しています。

確かに、日本のハイブリッドカーは構造が複雑でメインバッテリーの耐久性の問題もあります。

しかし、タクシーのような過酷な用途は別として、ハイブリッドカーのメインバッテリーは廃車まで交換不要。

革新的かつ、先進的なハイブリッド技術を搭載した初代プリウスはボディデザインに理由があったのか、市場ではそれほど受け入れられませんでした。

二代目プリウスは堅調な売れ行きで、ハイブリッドカーの名を世に広めました。そして三代目は時代の追い風を受けたこともあり大ヒットとなったわけです。

 

当初、ハイブリッドカーは電気自動車や燃料電池自動車のつなぎ役としての立ち位置であったのかもしれません。しかし、いざ電気自動車が販売開始となっても、実際の市場の反応は言うまでもありません。また、燃料電池自動車を市場に放つには、更にハードルが高く、数多い。

 

本来、TOYOTAのTHS IIは発進と停止を繰り返す渋滞路で燃費性能を発揮しやすい。

トヨタのTHS IIは日本やタイ、インドネシア等の交通渋滞が日常茶飯事の国でシステム性能を発揮しやすい。一方、高速巡航が求められるアウトバーンのような道路環境では、ハイブリッドよりディーゼル・ターボエンジンの方が向いていると言われます。

これは、100km/hを超えて120~130km/h以上の高速域に入ると、ハイブリッドシステムのメリットが薄らいでいくからです。

 

北米市場のクルマは年間走行距離が多く、ハイブリッド技術による経済性を大いに活かせる環境。ところが、何故か米国市場におけるプリウスファミリーの年間販売台数は日本市場に及びません。

北米市場のガソリン価格が安いのが理由なのか、アメリカ人は大排気量エンジンを積む大きなクルマを好むからなのでしょうか。

 

日本はトヨタやホンダのハイブリッドカーと軽、コンパクトカー、ミニバンに人気が集まるという特異な市場。その中で、今後もハイブリッドカーは更に日本社会に浸透していくでしょう。

日本に限定すれば、ハイブリッドカーは一過性の流行車ではないと思います。

 

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