個の時代が進む21世紀-高林秀亘

ネット通販が拡大してきた功罪と疲弊する地元商店街の関係

ネットショッピング

管理人は2003年頃からネット通販に関わり始めたこともあり、言わば日本のネット通販の世界を肌で感じてきました。

ネット通販と電話回線は一心同体の関係にあるため、電話回線はISDN、ADSL、光回線へと移り変わってきました。通信インフラが整備され、スマホの普及により、ネット通販市場は追い風を受けてきました。

日本国内の過疎地で生活していても、スマホがあれば日本のみならず、世界中の商品やあらゆるサービスを手に入れることができます。そして、情報の入手も容易くなり、便利な世の中になりました。

ところが、光が当たれば影ができます。光が強いほど影も濃くなります。全体を眺めると、インターネットとデジタル機器の普及により、光と影のコントラストがより強くなってきたとも言えます。

 

ネット通販の功罪

日本の楽天市場やYahoo!ショッピング、ヤフオク!、ポンパレモール、Amazonといったオンラインショッピングが台頭してきた背景には、ネット通販の黎明期、ECサイトを作っても集客が難しいのが大きな理由でした。

2003年頃、SEOやリスティング広告でECサイトのアクセスを増やす方法はありました。しかし、それらのマーケティングを組み上げていくのは簡単なものではないため、多くのECショップは集客力が期待できるECショッピングモールへ出店していったのです。

かつて、管理人も楽天市場やYahoo!ショッピング、ヤフオク!、Amazonへの出店または運営の経験があります。それぞれ特徴があり、マーケティングの仕掛け方も異なります。

ネットユーザーにとって、オンラインショッピングは確かに便利な世界。購入する商品が決まったら、後は安値で販売しているショップで購入するだけ。

 

ネット通販は価格競争とデフレ化を後押しする

ECショッピングモールには日本全国の販売会社が集結しているため、同一商品が価格順に序列化して表示されます。

型番商品の場合、ネットユーザーは型番で検索して簡単に最安値を調べることができます。工業製品には「PZX-0101○△□」といった型番が与えられているため検索が容易です。

つまり、逆の立場のECショッピングモールに出店している各ショップは価格競争の問題で頭を悩ませるのです。

ナショナルブランド(NB)商品は知名度と品質が共に高く馴染みがあるため、ネットユーザーは安心して購入できます。言い換えれば、ユーザーとしては物が同じであれば、安い方がいいに決まっています。

ネット通販市場の値崩れを防止するために、商品によっては通販市場用と店舗用を別にして企画、製造されているケースもあります。

いずれにしても、インターネットは簡単に商品の価格を比較できるのがメリットながら、逆に販売側としてはデメリットもあるのです。

 

ネット通販は流通革命であり、あらゆる商品の流通を大きく変えてきました。しかし、販売会社がネット市場でNB商品を販売したところで、価格競争が激しく利益が大きく圧迫されます。

じゃ、四苦八苦しながら何やってるの?となります。

ネット通販の普及により、流通を担当する販売業者の立ち位置が大幅に後退していったのです。

商品によっては、今後もメーカー → 卸売 → 小売店という流通経路は変わらないでしょう。しかし、別の分野の商品はメーカー直販が多くなり、あるいはメーカーと販売代理店がタッグを組み、卸が介在しない流通も存在します。

 

かつて、管理人は価格競争の波を受けないような商材を扱っていたこともあり、値崩れで頭を悩ませた経験はほとんどありませんでした。

ネット通販市場では、上記のような流通の変化が進んできました。ネット通販の行き着く先は低価格競争であって、あらゆる商品のデフレ化が進んでいきます。

もちろん、バックボーンとしてグローバル化による低コスト生産が低価格を後押ししてきたのは言うまでもありません。

 

2019年、平成の元号に幕が下ります。

一言でいうと、平成の時代はデフレの時代でした。かつて、日本人が経験したことがないデフレが日本を覆い、長期にわたって幅広い分野で価格競争が進んできました。

ネット通販とデフレはメリットもあれば、デメリットもあります。

一国の経済としては、デフレほどたちの悪い経済現象はありません。ネット通販とデフレは地元住民の生活を支えている地元商店街の体力を徐々に奪っていったのも事実なのです。

 

地元商店街のシャッター商店街化

シャッター街

 

東京都内は公共交通機関が整備されているため、電車での移動が基本。便利なエリアで生活する以上、車は不要。買い物や用事のために電動アシスト自転車が1台あれば十分といったところでしょう。

都内で人気のあるエリアの駅周囲は今も昔も人通りが多く、各商店が軒を連ねています。

夕方、女性が駅を降りて、各店舗の旬の野菜や果物、惣菜、肉や魚を品定めしながらのショッピングが生活のワンシーン。夕方になると、駅周辺のスーパーマーケットや食品店は買い物客でごった返します。

 

しかし、このような光景は全国的には、減少傾向にあるのではないでしょうか。

と言うのも、地方圏ではショッピングモールやホームセンター、家電量販店のような大型店舗が郊外に構えているため、駅周辺は通勤と通学の時間帯を除いて閑散としている街が少なくありません。

かつて地方圏の駅周辺で軒を連ねていた商店は1件、そして1件とシャッターを下ろし、シャッター街と化している通りが各地にあります。

 

地方圏の地元商店街の衰退原因は複数あるでしょう。

郊外型ショッピングモールは人の動きに大きな影響を与えます。

地元の商店街で買い物をしていたお客さんの世代が変わっていけば、ショッピングのスタイルも変化していきます。地元の商店街で買い物をすることもあれば、手元のスマホで買い物をすることもあり、週末は車でショッピングモールへ出かけることもあります。

 

楽天やアマゾンのトップページを見れば、今、何が売れているのが一目瞭然。定番商品として、水とお米が挙げられます。どちらも重くて嵩張る商品のため、通販で購入する女性が少なくないと思います。

とすると、地元のお米屋さんが影響を受けます。

 

ネット通販の高まりと地元経済の関係

2000年代前半までは、まだインターネットの黎明期でした。その後、電話回線のインフラ整備が進み、2010年あたりから、ガラケーからスマホの時代を迎えました。そして、ガラホも仲間入り。

毎月の生活費が100とすると、ネット通販で商品を購入する頻度が高まってくれば、生活費の中の5や10、15%が地元以外の企業へ流れていくようになります。

ネット通販の依存度が高い人は、近くのコンビニやスーパー、100均で食料品や生活雑貨、必需品を購入し、それ以外の物はネットで購入することが多くなります。Amazonの利用者の中で、そのような人が少なくないと思います。

生鮮食料品や加工食品のような単価が安い商品はネット通販にはあまり向かないため、リアル店で購入する人が多いのです。

 

ネット通販の強みは何と言っても選択肢が多いところ。近くの書店では在庫していない本でも、Amazonで検索すればヒットすることが多々あります。Amazonで本を購入する人が多くなれば、地元の書店が影響を受けます。

ネット通販が私たちの生活に浸透すればするほど、おのずと地元の小売店はそのあおりを受けます。小売店の体力が奪われ、地元の商店が減少すれば、自宅周囲での買い物が難しくなります。

2018年10月15日、アメリカ合衆国の有名な百貨店、シアーズがチャプター11(連邦破産法11条)の適用を申請したニュースは衝撃的でした。これが意味するのは、ネット通販が社会に浸透するほど、リアル店舗の経営にボディブローのように効いてくる証明かもしれません。

 

大都市圏は別として、地元商店街の衰退は巡り巡って日々の生活に不便を感じる問題が出てきます。

そもそも、駅前商店街は合理的な街づくりの1つとして理にかなっていて、人々は無駄に移動することなく買い物ができます。そのような商店街が衰退していくと、人々はチェーン展開しているスーパーマーケットやショッピングモールで買い物をするようになります。

地方圏では、車で移動すればいいことで、大した問題ではないかもしれません。

しかし、ちょっとした買い物でさえ、その度に車を走らせることになりますから、決して合理的とは言い難いとも言えます。また、スクーターや車の運転が危うくなってきた高齢者の買い物難民という問題が浮上しています。

ネット通販の拡大とデフレにより、流通とショッピングが随分変わりました。大都市圏は別として、地方圏では駅周辺にあまり人が集まらず、郊外のショッピングモールやチェーンスーパー、街道沿いの飲食店や店舗に人が集まる構図が出来上がっています。

そして、スマホの普及により、手元で商品やサービスを購入するニーズが高まりました。

インターネットとスマホの普及は、ただショッピングが便利になったというだけでなく、ショッピングモールの立地と合わせて全国の街の様相を変えてきたのです。

 

[関連記事]

インターネットが社会のあらゆる物を飲み込んでいる/EC編

インターネットが社会のあらゆる物を飲み込んでいる/逃げよう

 

関連記事

コメント

    • しゃんしゃん
    • 2018年 11月 15日

    お早うございます。
    全国どこにでもある地元商店街は残っている事は残っていますが30年前は当たり前のようにあった地元ではお馴染みの店が何件も姿を消しているように年々減っている雰囲気がありますね。反対に商店街の中にあるお店よりも敷地が広いショッピングモールに行って買い物する人が年々増えている気がします。品ぞろえが良いから見た目だけでも便利に感じるからだと思いますね。

      • Heeday
      • 2018年 11月 16日

      しゃんしゃんさん

      郊外型の大型ショッピングモールが人の流れを変えてきました。そして、ネット通販も。

      以前からヤマト運輸のセールスドライバーは口を揃えて、アマゾンや通販の荷物が多いとおっしゃっています。

      地元の商店が減っていくと不便を被ることになりますけど、流通が大きく変わり、時代の変化ですね。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


メルセデス・ベンツの特徴と魅力に迫る

食を探究するジャパンフード

口臭ケア対策

AGA(男性型脱毛症),FAGA(女性男性型脱毛症)のクリニック選び

ヒゲ脱毛、メンズ脱毛クリニック、脱毛サロンの選び方

包茎手術、包茎治療のクリニック選び

セールスレターの作成代行なら、DRM-letter.com