個の時代が進む21世紀-高林秀亘

インターネットが社会のあらゆる物を飲み込んでいる/EC編

EC

インターネットが社会のあらゆる物を飲み込んできています。

野村総合研究所のデータによりますと、2012年の日本の電子商取引市場の額は10兆2,000億円。2013年予想は11兆5,000億円、2017年予想は17兆3,000億円。このデータからも、インターネットのEC市場は確実に伸び続けています。

 

■ECでお金の流れが変わった

インターネットの電子商取引が拡大すればするほど、同時に影響を受けている業界があります。それは、従来の小売店やデパートでしょう。

当ブログ内の「ゼロからECビジネスを始める前に注意しなければならない事new_window_icon_blackのとおり、ネット上のショッピングモールではあらゆる商品が販売されています。

パソコンはもとより、スマートフォンの普及によりECがより身近に感じられるようになりました。1個人のEC利用金額が増えれば、それに反比例するかたちでリアル店舗での買い物が減少するのは自然の流れです。

1人あたりの可処分所得はある程度決まっています。

そこで、賢い消費者たちは、日常的なショッピングで買う商品とECで買う商品を上手く分けています。

毎日、口に入れる食材や生活用品、雑貨に関しては、最寄りの小売店や地元資本のスーパー、大手ショッピングモールで購入する人が多いでしょう。

そして、生活の中で重量物である「米」「酒類」「水」については、通販や宅配システムを上手く利用している人が増加傾向のようです。

 

■ECでよく売れている商品

では、ECではどのような商品が売れているのでしょうか。それは、楽天やYahooショッピングのページにランキングが表示されているから一目瞭然です。

 

・楽天、総合ランキングTop20
http://ranking.rakuten.co.jp/?l-id=top_normal_rk00new_window_icon_black

 

・Yahooショッピング、売れ筋ランキング
http://shopping.yahoo.co.jp/ranking/1/?period=weekly&gender=all&generation=allnew_window_icon_black

 

両ショッピングモールに見られる傾向として、「水」や「シャンプー」が複数上位にランキングしています。

総合ランキング100位以内に入っている商品の多くは、単価が10,000円以内の生活用品や雑貨が多いことがわかります。もちろん、数万円以上の家電、カメラ、腕時計も確実に売れています。

工業製品には型番(JAN)が付与されているため、インターネット最大の特徴でもある価格の比較が容易にできます。よって、家電製品に代表される工業製品はECの中でも更に激戦区に置かれています。

なお、消費者にとっては、気に入った商品を可能な限り安く購入することができる、ある意味いい時代かもしれません。しかし、総括的にはそうとも言えないでしょう。

 

■ECのお金の通り道

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インターネットが社会に浸透すれば、ビジネスチャンスは当然出てきます。しかし、お金はインターネットビジネスの関係者全てに満遍無く行き渡るわけではありません。

ネットの世界は、お金の流れが非常に複雑です。お客さんはショッピングモールでカード決済すれば、後は商品の到着を楽しみに待つだけです。

しかし、モールに出店しているテナントの銀行口座に売り上げが入金されるまでに、お金は複雑な経路を辿っています。

パソコンの画面を眺めてもお金の流れが全く見えきませんが、お金の複雑な経路の中で大きなダムもあれば小さなダムもあります。一見大きなダムでも放水量が多く、水があまり貯まらないダムもあるでしょう。

ネットビジネスの関係者であっても、自分がどこに位置するかで立場が大きく変わってくるでしょう。

 

インターネットの普及により、影響を受けているのは冒頭で書いたとおりリアルな小売店やデパートでしょう。

デパートは高度経済成長期に右肩上がりで成長を続けてきたものの、今となっては、どこの家庭でも必要最低限の物はタンスに詰まっています。それらの物を一旦、吐き出さないことにはデパートに人を集めるのは今後も容易なことではないでしょう。

デパート業は高コスト経営のため、それが商品売価に反映されています。いい物に対して高いお金を払う層は存在しつつも、大衆の意識としては、コストパフォーマンスに重きを置く傾向が高まっているのは確かでしょう。

 

■過度のEC化は地元経済を破壊する

シャッター通り

 

お客さんによっては、リアル店舗で商品自体を確認してカタログをもらい、インターネットで注文するショールーミングの流れが強まっています。いわば、店舗がショールームと化している傾向が強まっているようです。

 

このようなアプリが、店舗のショールーム化を加速させています。

プライスチェッカー/Price checker new_window_icon_black

Amazon モバイル Androidアプリ new_window_icon_black

 

「価格.com」で調べると、商品の価格比較が簡単にできます。2013年現在、この「価格.com」と上記のアプリは日本最強の価格破壊王と言えるでしょう。

 

居住地が北海道の奥尻島でも、信州の山間部でも、台湾に近い沖縄の宮古島でも、パソコンやスマホと通信回線さえあれば最安値であらゆる商品を買える環境が整っています。

しかし、商品がネットで安く買える、手軽に買えるということは、巡り巡って地元の小売店の経営に影響を与えます。結果的に地元経済を破壊していくことになってしまいます。事実、全国的に中小書店の数が減少傾向にあります。

この原因の1つとして、黒船Amazon.co.jpの影響が考えられるでしょう。しかし、これらの構図に気が付いていない人、特にITやパソコン、スマホに疎い高齢者が少なくありません。

日本の三大都市でさえ、シャッター通りが出現しています。他の地方都市では、駅周辺は閑古鳥が鳴き、郊外のショッピングモールと街道沿いの店舗に人が集まる構図が出来上がっています。

全国的に地方自治体と地元商店街が駅周辺の活性化対策に力を入れています。しかし、地方都市に住む人々の生活の場は駅周辺ではなく郊外です。大型ショッピングモールは需要を見込んで郊外に立ち並んでいるわけです。

三大都市以外では、主な移動手段はクルマやバイクです。郊外のショッピングモールと街道沿いの飲食店や店舗に人が集まる構図が出来上がっている以上、特別な理由を除いてわざわざ駅周辺まで足を延ばす人は少ないでしょう。

自宅から駅周辺まで20分も30分もクルマを走らせて、駐車料金を払ってまでゆっくりショッピングしたいとは思う人は多くはないでしょう。今後、街の構造を含めて、益々リアル店舗の在り方が問われていくと思います。

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