個の時代が進む21世紀-高林秀亘

安売り合戦ができるのは、資本力と組織力のある大企業だけ

高層ビル

新聞折り込みチラシに必ずと言っていいほど入っているもの。それは、安売りセールのチラシ。

安売りは不滅の販売方法。

それと同時に、安売りはまったく頭を使わない方法。チラシの金額を「¥3,980 → ¥1,980」と書き換えるだけ。更に「50%Off」と書き込めば完璧なのです。

 

安売りの弊害

安売りは数多くの弊害があります。

メリットは「その時だけは、お客さんが集まる」。

しかし、そのようなお客さんは、他の店舗で安売りが始まると一斉に流れていく傾向があります。このようなお客さんとは長い目でお付き合いが難しく、安い商品しか買いません。

 

ディスカウントチラシ

 

更に、そのようなお客さんほど、商品価格以上の価値やサービスを求める傾向があります。要は、販売店に対して我儘が多いのです。

 

「もうちょっとまけて」

「何かサービスして」

「商品の箱の角が変形していた。交換して。」

 

販売会社の社員はやたらと顧客対応に手間がかかります。その分、人件費が上昇します。

安売りして、お客さんは心底喜んでいるのでしょうか?幸せなのでしょうか?実は、そのようなお客さんは、安く買った事をすぐに忘れてしまいます。

そして、ジプシー客は次から次へと「XY% Off」に群がっていくのです。

 

それで、販売会社は幸せなのでしょうか。よく、在庫一掃の目的でセールをかける店舗はあります。しかし、安売りが恒常的になると、質の良くないお客さんばかりが集まるようになります。それで、売り手と買い手が共にハッピーになるとは思えないのですが。

 

大手家電量販店の傘下に入った町の電気店

新宿西口電気街

 

町の電気店が随分、減りました。あるいは、町の電気店が大手家電量販店の傘下に入り、看板を借りています。

そのような店舗でエアコンや冷蔵庫を買い求めると、店主が一緒に家電量販店に行ってくれます。

その後、機器の配送と取り付けは、電気店のおやじさんがやってくれることになります。電気工事関係は、やはり顔なじみの町の電気店が安心です。

 

大手家電量販店は大量仕入れ、大量販売によって経営が成り立っています。町の電気店の仕入れ価格より量販店の販売価格の方が安いこともあるくらいです。

かつて、地元密着型の電気店や中規模クラスの電気店が地元のお客さんと繋がりがありました。しかし、大手に成長したヤマダ電機、ビックカメラ、エディオン、ケーズ電気、ヨドバシカメラといった量販店が全国の電気店を駆逐していきました。

 

安売りが可能なのは大企業

大企業は資本力、組織力、大きな販売ネットワークを持っています。素材や商品を大量に仕入れて、大量販売することで「安売り」しても利益が出ます。素材や物を大量に仕入れる、または生産工場に大量発注することで、物の製造コストはどんどん下がります。

製造業は物の生産個数によって、1製品あたりの製造コストが全然違います。製造現場は大量に生産すればするほど、各資材の調達コストがどんどん下がっていき、生産効率が上がり、生産設備の減価償却も進んでいきます。

100円ショップがいい例。数の力はすさまじいパワーを発揮します。

 

ところが、一般の中小企業が安売り競争に算入して、生き残る確率は高くはありません。少なくとも、大企業に勝てる見込みはゼロに等しいでしょう。それは、最初から負け戦であることが決まっています。

99.7%以上の中小企業は大企業の土俵から外れた場所で戦うべきなのです。

 

例外はある

アパレルの世界では、上下で19,800円のスーツもあれば、ブランド品で198,000円のスーツもあります。時計の世界では、19,800円のクオーツ時計もあれば、198,000円の機械式腕時計もあります。それぞれ、棲み分けがなされている世界。

 

ところが、サプリメントの世界では、1,980円のマルチビタミンはあれど、19,800円のサプリメントはあまり多くは見かけません。

開発費は別として、サプリメントの製造原価はそれ程高いものではありません。しかも、お客さんはある程度の期間、サプリメントを飲み続けないと意味がありません。お客さんが毎月、サプリを買い続けるには買いやすい価格設定も大切。

いくら良質な素材で作られている高品質サプリであっても、価格が高すぎるとお客さんにとってハードルが高く、リピートも続きません。サプリメントには適正な価格が大切ではないでしょうか。

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