個の時代が進む21世紀-高林秀亘

魔法の食品添加物は、私たちにとって”善”なのか”悪”なのか?

ボトル

「買ってはいけない」という本があります。

この本はシリーズ化されていて、既に10冊が発行されている。それに対抗するかたちで、夏目書房編集部より「「買ってはいけない」は買ってはいけない」が発行されています。

これは随分前に発行された本ですが、両者の主張はなかなか興味深いですね。

 

■食品添加物のメリット、デメリット

昭和の高度成長期と共に食品添加物が次から次へと誕生し、私たちの毎日の食生活が豊かで便利になりました。

食品が生産地なり食品加工工場から全国のスーパーマーケットへと流通していく過程で、必ず食品の酸化や劣化の問題があります。よって、食品と酸化防止剤や保存料は切っても切れない関係があります。

他にも、食品には発色、香り、甘み、酸味のコントロールが求められますから、各種食品添加物は無くてはならない存在。消費者は食品の発色が良く、分かりやすい味を求めるところが多分にあるからです。

 

お母さんが、朝のお弁当作りで、一からハンバーグを作るとしたら、あまりにも時間と手間がかかります。それは実際、不可能ですよね。

多くの場合、少しでも楽で便利な方に流れるもので、レトルトや冷凍のハンバーグを選択することになります。

もし、食品添加物がこの世に存在しなければ、口に入れる物の多くはコスト高となるでしょう。

質の高い食材を原料にすれば、即、コスト高に繋がりますし、保存性が良くなければ、早々に食品を廃棄しなければなりません。これもコスト高の原因です。

 

更に食品の性質上、添加物無しで市場に流通させるのが難しい物も多々あるでしょう。今、自分の頭の中で思い浮かんだ「とある物」は添加物無しで流通させるのは不可能と思われます。

もし、食品添加物が「悪」であるならば、私たちはより割高な食品を買わざるを得ません。また、入手できる食材が制限されることは間違いないでしょう。

よって、食材を買いたい時、食べたい時に入手が容易ではなくなってしまいます。

 

「買ってはいけない」は興味深い内容ではあります。しかし、あれもこれもダメ食品だらけならば、私たちは何を食べていいやら分からなくなってしまいます。

多くの人にとって、食品添加物が無い生活はちょっと想像できません。この世から食品添加物が消えたら、スーパーマーケットの棚に並んでいる食品類は激減することでしょう。

実利的に考えれば、食品添加物は利便性の高い食生活を営む上で「欠くべからざるもの」ではないでしょうか。

 

■食品添加物の安全性

しかし、光が当たれば影ができます。

食品添加物によってメリットを享受できる反面、今もなお添加物の安全性については議論が絶えません。そもそも、食品添加物は食料品ではありません。

当然、食品添加物はスーパーマーケットでは販売されていません。

食品添加物の安全性は個別に動物を使った毒性試験を経て確認されています。ところが多くの人が毎日、口にしている食品添加物は1つや2つではないでしょう。

 

昨晩、飲食店で○△酒に△国風発酵食品、焼き物を食べたとしますと、それだけで複数の食品添加物を口にしていると考えた方がいいでしょう。醤油やソースであっても、添加物はゼロではありません。

 

他国では、発がん性の危険性から使用が禁止されている添加物が日本では合法というケースもあります。

私たちは毎日、複数の食品添加物を胃に詰め込んでいるわけで、胃腸消化器系の中で何が起きているのかは分かりません。

動物実験では単独の食品添加物に問題が無くても、人間の体内に複数の食品添加物が入った場合の安全性はつまるところ誰も分からないのです。

最終的に何を食べるかは、自分の食に対する考えによるものでしょう。各自が食品の「利便性」と「安全性」を両天秤にかけて妥協点を見出すしかないと思います。

 

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