カクテルパーティー効果-無意識に音を聞き分ける人間の耳と脳の凄さ

スマホで動画を撮影し、その動画をヘッドホンで聴くと違和感を抱くと思います。やたらと、耳障りな雑音が多いと思いませんか?

ビデオカメラで街中を撮影すると、歩行者用信号機が発する音や歩行者の靴音、店頭に立つスタッフの呼び込みの声、店舗のBGM、自動車のエンジン音、ホーンの音等、多くの音が録音されています。

自分が現場にいた時に聞こえていた音とマイクが拾った音は、まるで違います。

それは、まるで雑音の嵐。

カクテルパーティー効果

会議室

10万円前後のデジタルビデオカメラで会議の模様を撮影しても同様。

人の咳払いや椅子が床と擦れる音、物が机から落ちた時の音が大袈裟とも言えるほど、克明に録音されています。

人間が耳で聞こえている音と実際に現場で発生している音には大きな違いがあります。これは、人間の耳と脳は自分にとって不要な音を無意識に聞かないようにしているから。

これは、カクテルパーティー効果と呼ばれます。

カクテルパーティー効果(cocktail-party effect)

音声の選択的聴取 (selective listening to speech)のことで、選択的注意 (selective attention) の代表例。

多くの人がそれぞれに雑談している中で、自分が興味のある人の会話などは自然と聞き取ることができる。このように、人間は音を処理して必要な情報だけを再構築していると考えられる。

(出典: ウィキペディア)

YouTubeで検索すると、例えば飲食店の店内を撮影した動画には話し声は勿論のこと、グラスや食器同士が接触する音や店員の声が大袈裟とも言える音量で録音されていることがあります。

自動車の室内にドライブレコーダーやビデオカメラをセットすると、走行中、タイヤからのロードノイズやタイヤが拾った振動音がかなりの音量で録音されています。

これらは、ヘッドホンで聴くと良くわかります。

これは、録音マイクが低性能ということではなく、実際の現場では、そのような様々な音が出ています。

しかし、その場にいる人たちは、相手の話し声や少し離れた人たちの会話を明瞭に聞き取っています。その時、人は無意識に他の雑音が聞こえないように脳で処理しているのです。

たぶん犬も

犬、ワンちゃん

ワンも!

管理人は、犬も人と同じカクテルパーティー効果の能力を持っていると思います。

ただでさえ、犬は耳がいい。犬は部屋の中にいても、数十メートル先から散歩中の犬が近づいてくると、足音でそれを察知できます。

犬は、そのような超高感度の耳を持っているため、人間以上に聞きたい音と、そうではない音を状況に応じて聞き分けているに違いありません。

そうでなければ、犬の耳に入ってくる音はどれもこれも大音量だらけで、犬自身ノイローゼーになってしまいます。

これは耳の「イヤー・ノイズリダクション機能™」とでも言ったらいいのでしょうか。

もし、人や犬の耳にこのような機能が無ければ、日常生活の中で雑音がうるさ過ぎて、とても生きていけないでしょう。

人間、そして犬の聴覚と脳は凄いと言わざるを得ません。これに相当する録音マイクを作ることができるのでしょうか?

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